臨床検査室は病気の診断・治療・経過観察の指針となる患者さまの情報を、正確かつ迅速に臨床の現場に提供しています。臨床検査室が受け持つ検査は血液や尿、便などを調べる検体検査(生化学検査、免疫検査、一般検査、輸血検査、細菌検査、病理検査)と検査担当者が直接患者さんに接して行う生理検査があります。
4月から仲間が増えました。
検査紹介
■検体検査【生化学検査】
酵素、糖、脂質、電解質などを測定します。 検体検査の中で項目数が最も多く、幅広い情報を短時間で報告することができます。夜間、休日の時間帯にも対応しています。
【免疫検査】
感染症検査やホルモン、腫瘍マーカーを測定しています。
【血液検査】
血液中の細胞(白血球、赤血球、血小板など)の数を調べます。また、止血の働きを調べる凝固線溶検査を行います。
【一般検査】
尿検査:蛋白、糖、赤血球、白血球、などを調べます。また顕微鏡で細胞等を調べます。
糖尿病や、腎臓病等の様々な疾患の診断に役立ちます。
便検査:便中に血液が含まれてないかを調べます。大腸癌の早期発見に役立ちます。
その他、髄液検査、胸水、腹水などの検査も行っています。
【輸血検査】
血液型:ABO、Rh式の血液型を検査します。
不規則抗体検査:この検査の結果をもとに輸血血液を選択します。
【微生物検査】
一般細菌検査、抗酸菌検査(結核等)、迅速検査(インフルエンザ等)を行っています。
院内感染対策の一翼を担っています。
【病理検査】
◆組織検査
内視鏡や手術で患者さまから採取された組織から作製した組織標本を、顕微鏡で観察し病理診断を行います。「(腫瘍が)良性なのか悪性なのか」「悪性であれば、どのぐらい悪いのか」「病変の広がり、深達度(どの程度まで癌が浸潤しているか)」「癌が取り切れているか」「血管・リンパ管などに癌が浸潤していないか」「リンパ節への転移の有無」など、多くの所見が詳細に記載されます。
組織検査では様々な工夫をしてみやすい”きれいな標本”作成を心がけています。
内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)検体や内視鏡的粘膜切除術(EMR)検体の標本作成ではパラフィン浸透後(アルコールや中間剤による組織の収縮後)に切り出しすることで収縮による切り出し面のゆがみがなく面出しが容易になります。前立腺生検や肝生検などの針生検検体の標本作成はカセットの大きさに切ったスポンジに切れ目を入れ、切れ目の中に針生検検体を挟みまっすぐで見やすい標本にしています。内視鏡生検検体の紛失防止では、内視鏡室でカセットに入れて着色ホルマリンで固定するなどして紛失を防止しています。
喀痰や尿、子宮頸部などから採取された検体を顕微鏡で観察し、異常の有無や種類を判断する検査です。細胞診検査は、検体採取時に患者さんの体への負担が比較的少なく、癌の早期発見には欠かせない検査です。乳房やリンパ節、甲状腺、唾液腺などに体表から細い針を刺して直接細胞を採取し細胞診検査を行うこともあります。
■生理検査当院では、心電図検査、肺機能検査、筋電図検査、心臓・腹部・血管・乳腺・甲状腺などの超音波検査を実施しています。
【心電図検査】
手足と胸部に電極を付け、心臓が動く時に生じる電気的活動を記録する検査です。虚血性心疾患(心筋梗塞や狭心症など)や心肥大、不整脈等、心臓に異常がないかどうか調べます。必要に応じて、階段の昇降で心臓に負荷をかけて心電図の変化を調べる負荷心電図や、24時間の心電図を記録して日常生活の中で心電図がどのように変化しているか調べるホルター心電図も行っています。
【超音波検査】
超音波(人間の耳には聞こえない高周波の音)を身体にあて、その音の反射を利用し臓器を写し出して診断する検査です。主に腹部の臓器や心臓、乳房や甲状腺などの表在検査、頚動脈などの血管検査を行っています。大きさや形状はどうか、腫瘍などができていないか、血管が狭くなっていないかなどを検査します。検査は痛みや被ばくもなく安全で、繰り返し検査することができます。
【肺機能検査】
マウスピースをくわえ息を大きく吸ったり吐いたりして、肺の容量・機能や気道の状態をみる検査です。この検査は患者さんの協力が必要で、苦しいことともありますが、肺の機能を知るために欠かせない検査です。
【神経伝達速度検査】
末梢神経を電気刺激して伝わる速さを検査することで、 神経障害の有無や程度を評価します。運動神経の障害状態も評価します。
【CAVI】
「心臓(Cardio)から足首(Ankle)まで」の動脈(Vascular)の硬さを反映する指標(Index)で、動脈硬化が進行するほど高い値となります。 大動脈の進展性の低下は心疾患の発症や予後を規定する因子となることが知られており、早期診断と管理に役立ちます。
■PCR検査
令和3年3月1日よりPCR 機器を導入致しました。 新型コロナウイルス関連検査はCLEIA法による抗原定性検査、イムノクロマト法による抗原定性検査に加えてPCR検査が可能になりました。
※CLEIA法による抗原検査は令和2年11月10日に抗原定量検査として承認されました。
■スタッフ紹介臨床検査技師 11名 (検体検査 6名、生理検査 5名)
【資格等】
細胞検査士 2名
認定病理技師 1名
超音波検査士 3名
検査結果を正確かつ迅速に報告することを目標に専門学会に所属し技術と知識の習得に努めています。